タイトルにもありますが、マーケティング活動の中心にあるものは何でしょうか?それは「コンセプト」です。担当者が増えれば増えるほど、それぞれの考えや好みに引っ張られてしまい、施策がブレブレになってしまうものです。そうならないように、土台として共通理解しておく必要があるのがコンセプトになります。
コンセプトが明確になれば、方向性が明確になります。ターゲットが誰で、消費者の便益は何で、・・といった事を担当者が共通認識で持つことで、ブレの無い販売戦略をおこなう事ができます。
この記事では、2020年に発売された足立光氏の著書である「マーケティング大原則」で定義されている、コンセプトを定義するためのABCDE戦略について紹介させていただきます。
ABCDE戦略とは
ABCDE戦略は、その名の通りA~Eの5つの項目について定義しています。
A:ターゲット(A:Audience)
B:消費者便益(B:Benefit)
C:カテゴリー(C:Category)
D:差別点(D:Point Of Difference)
E:トンマナ(トーン&マナー)(E:Emotional Character)
A:ターゲット(A:Audience)
商品やサービスを使ってもらいたい消費者を指します。対象となるターゲット決めの際にはそのターゲットとどうコミュニケーションするか(SNS、メルマガなど)までイメージしておくとよいでしょう。
B:消費者便益(B:Benefit)
消費者のどんなメリットがあるのか、を定義します。そもそもサービスを考えた時点でメリットが無いものをサービス化するはずはないのですが、どうしても顧客目線ではなく制作側の目線になりがちです。例えばファッションでは「おしゃれ」といった便益はごく一般的で差別化ができないため、もう少し具体性があったほうがよいでしょう。
C:カテゴリー(C:Category)
カテゴリーは、どのジャンルに収まるか、を表し、同じカテゴリーの他社製品がライバルとなります。
コンビニをスーパーとカテゴライズしたとします。でも実際には弁当を提供している時点で飲食店も競合になり、コーヒーを提供している点ではカフェも競合になります。消費者にとって、自社製品がどういう位置付けになるのか、様々な角度で検討する必要があります。
D:差別点(D:Point Of Difference)
競合他社がひしめく中で新規事業を立ち上げる時、きっと他社は「取り扱い件数業界ナンバー1」「特許取得の技術」「満足度調査で1位」といった要素を掲げていると思います。その中で自社のサービスの差別点を明確にする必要があります。小規模サービスでは、レスポンスが速い、最短3日で納品、など大手とは異なる小回りの利くサービス運用などが差別点となってくるかもしれません。他社には負けない強みを明確に打ち出しましょう。
E:トンマナ(トーン&マナー)(E:Emotional Character)
現在のマーケティングはInstagram、YouTubeなどに代表されるように画像や動画などのビジュアル要素が重要になってきます。そのため、色合いや雰囲気、音楽などの要素の方向性を揃えておく必要があります。一方ではシリアス、一方ではコミカル、といった風にならないよう、しっかりトンマナは決めておきましょう。
まとめ
マーケティングは日々進化しています。ビジュアルが重要視される現在のマーケティングではトンマナは必須条件ですが、今後はさらに別の項目が増えるかもしれません。メタバース(仮想空間)や新しいSNSの出現などにより、マーケティングは更に進化するでしょう。
自社のサービスに合ったコンセプト決めはできていますか?サービスの土台にあたる部分なので、迷った場合は一度プロに相談してみるのもよいでしょう。